福祉用具(1)〔歩行補助づえ・歩行器〕。


介護機器・福祉用具選びのポイント。においては、選択のときに留意したい全般的な注意点について記しましたが、ここでは個々の福祉用具の選択をするときに配慮すべき点について、いくつかの代表的事例をとりあげて説明します。


・歩行補助づえ


介護保険の使える歩行補助づえは、現時点では「カナディアン・クラッチ」「ロフストランド・クラッチ」「プラットホームクラッチ」「多点杖」の四つだけです。

歩行補助のための杖(つえ)は、歩くことを安定させ、筋力やバランス能力を補完します。

そのため、「杖の長さ」が利用者にとって最適となるよう、長さ合わせに際しては十分に配慮する必要があります。



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また、T字杖オフセット杖については、歩くことの安定性を確保するためにも「にぎり」の部分の形状、その握りやすさについて配慮する必要があります。

杖をたてかけておきたい時などの転倒防止器杖ストラップについても考える必要があります。

床に転がった杖を拾おうとして、転倒するなどの事故を防ぐことにもつながるからです。

さらには、日々使用するもの・愛着が持てるものという観点から、視覚的なデザイン面や素材についても、配慮することが好ましいでしょう。


・歩行器


「歩行器」は、両手で持ち上げながら一歩ずつ前において進む「持ち上げ型」と、歩行器の足を片側ずつ交互に出して前に進む「交互型」があります。

歩行器は、体重を支える面とバランス補助の面で、杖よりも安定的な歩行に貢献するものと言えます。

しかし、「後方に転倒しやすい」人は、歩行器の使用は慎重に考慮する必要があります。

脳梗塞や脳卒中などによって半身が麻痺した人にとっては、歩行器の操作自体が困難な場合があり、逆に歩行の不安定さを増す場合すらありますので、導入は慎重に検討するべきです。


歩行器においては、と同様に「高さの設定」がポイントになります。

高さを適切に設定することによって、下肢への加重も少なくなり、より楽に歩行することができるようになります。


歩行器と似た用具として「シルバーカー」があります。

「シルバーカー」は、どちらかというと長い距離を歩くことに不安を持っている利用者や、買い物時に荷物を持って歩くことが困難な利用者のためのもので、バランス補助に重点を置いてつくられています。

歩き疲れたときには、「シルバーカー」のかごの部分に座って、休むこともできます。

「シルバーカー」によって、バランス補助を効率的に行い、体重が必要以上に「シルバーカー」にかかりにくくするためにも、操作するハンドルバーの高さが、重要になります。


さらに、「シルバーカー」自体があまり重すぎても捜査に疲れることから、「シルバーカー」の重量も、選択のポイントとなってきます。


ちなみに、「シルバーカー」介護保険の給付対象にはなっていないことには注意が必要です。

しかし、市町村の助成・給付補助の対象になっている場合がありますので、市町村の窓口に詳細を問い合わせてみるのがよいでしょう。



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