レンタル・販売と、福祉用具専門相談員。


介護保険制度において、福祉用具「貸与(レンタル)」が原則、「購入」が例外として位置づけられていることは、介護用品・介護機器・福祉用具とは。で書いたとおりです。

そのためレンタルできる福祉用具の品目が12品目と、購入できる品目に比べてずっと多くなっています(介護保険と福祉用具・特定福祉用具。)。


介護保険を利用して福祉用具をレンタルするための利用手順は、以下のとおりです。



スポンサーリンク


(1)介護保険認定を受けている利用者(被保険者)が、ケアマネジャー介護保険を利用して福祉用具をレンタルしたい旨の、相談を行います。


(2)ケアマネジャーは、利用者(被保険者)の希望・状況を把握したうえで、全体の状況に照らし合わせ、レンタルが最適な手段か、またアフターケア面がどうか、どの店でレンタルするのがよいか、などについても検討したうえで、利用者と相談しながら「ケアプラン」を作成します。

「ケアプラン」は、サービスごとに契約書が作成されることになっており、ここではその福祉用具の契約書を作成していくことになります。


福祉用具をレンタルする側の事業者は、契約前に「重要事項説明書」において、利用者へ内容を説明することが義務づけられています。


ここで、レンタルする福祉用具の使用方法や、利用者にあわせてどんな調整作業が必要か等についても、納得いくまで説明を受ける必要があります。


「指定福祉用具貸与事業者」であれば必ず二名以上の「福祉用具専門相談員」を置くことが務づけられており、彼らが利用者の相談に対応することになっています。

説明後、利用者(被保険者)の同意を得たうえで、当該福祉用具のレンタルに関する契約が締結されることになります。


(3)ケアプラン作成後は、ケアマネジャー経由で(または自ら)、「指定福祉用具貸与事業者(都道府県知事指定)」に、選択した商品のレンタル依頼をします。


(4)福祉用具が事業者から利用者へと、レンタルされます(サービスの提供)。

利用者は、レンタルに要する自己負担額(1割相当額)を、あらかじめ説明を受けたレンタル料金の支払いサイクルにあわせて、事業者に支払います。

また、事業者からレンタル料金に関する領収書等が、利用者に対して発行されます。


(5)事業者は、市町村に、当該レンタルに要する9割相当額を請求します。

市町村から〔国民健康保険団体連合会を通じて〕、事業者に9割相当額が支払われます。


(6)レンタル終了後は、当該福祉用具は事業者によって回収され、洗浄・消毒などを経た上で、事業者側で保管されることになります。

レンタルした福祉用具返却後の点検および消毒は、指定事業者の義務となっています。

(なお、利用者がレンタル終了後の買い取りを希望した場合は、可能かどうかについては事業者との別途相談となりますが、契約前に確認しておいたほうが無難でしょう。)


また介護保険を利用せず介護用品・介護機器・福祉用具のレンタルを行う場合は、全額が自己負担となる代わりに、上記の費用申請に係る手続きも不要ということになります。

ただし介護保険事業以外に、市町村で独自に介護用品・福祉用具等に関する給付・経費助成制度を実施しているところがありますので、その場合は別途、市町村が定めている必要手続や必要書類に従う必要がでてきます。



スポンサーリンク


すべての記事(記事一覧)こちらから



▲先頭に戻る