福祉用具(6)〔腰掛便座・特殊尿器〕。
・排泄支援用具(介護保険適用)
「介護保険で定められている排泄支援用具」は、以下のとおりです(なお排泄支援用具全般に関わる注意点については、福祉用具(5)〔排泄支援用具と介護保険〕。をご参照。)。
・腰掛便座
介護保険が使用できる腰掛便座として、以下の四つがあります。
腰をかける方が一般的なしゃがむタイプの和式便器よりも安全に排泄動作を取れるため、「和式便器の上において腰掛式に変換する腰掛便座」があります。
また、元が洋式便器の場合で、便座からの立ち座りが難しい場合、「元からある洋式便器の上に乗せて、座面の高さを補うもの」もあります。
これについては、現在の洋式便器と高さや形状をすり合わせた上で、購入する必要があります。
便座への立ち座りが困難な場合に立ち上がりを補助するため、「電動式またはスプリング式で、立ち座りの補助機能を有しているもの」があります。
装置自体が比較的かさばるため、トイレ内の設置スペースに相当の広さが必要になります。
最後は、便座とバケツから成る移動可能な便器、いわゆる「ポータブルトイレ」です。
「ポータブルトイレ」は、一般的にトイレまでの距離が遠かったり、またはトイレにたどりつくまでに階段などがあって危険な場合、介助時にトイレのスペースが狭すぎる場合、またはトイレでの排泄が難しい症状の場合、などに用いられます。
一般的には、軽くて移動させやすくまた掃除もしやすいポリプロピレン製のものが主流です。
一定の重量があるため安定感があり、また見た目も居室にマッチし、さらには高さの調節などもできる、「木製椅子型」のポータブルトイレもあります。
他に、ペットからの移動も行いやすい「ペットサイド設置型」のポータブルトイレもあります。
・特殊尿器
特殊尿器は、「尿を自動的に吸引する機器で、居宅要介護者本人ないし介護を行う者が、容易に使用できるもの」を指します。
尿を吸引する電動装置には、尿を収めるための一定容量のタンクが備えられているため、排尿後すぐの処理を必要とせず、また臭気も抑えられるようになっています。
特殊尿器は、尿意を感じたときに都度、手で利用するタイプの「手持ち式特殊尿器」と、体に装着するタイプの「装着式特殊尿器」があります。
尿の吸引をモーターによって行うことから、慣れるまでは音をうるさく感じる欠点があります。
すべての記事(記事一覧)は⇒ こちらから